運動を必要とする犬運動を求めない猫
犬と猫は共通の祖先を持ちますが、両者の体の仕組みは異なります。
どんな違いがあるのでしょうか。
麻布大学獣医学部 教授 太田光明先生のお話です
アメリカでは、現在 Dog-walking(犬と散歩すること)が話題になっています。
子供の健康と発達に関する国立の研究機関(National Institute of Child health and Human Development)が中心になり、「犬戸の散歩」の効果を徹底的に調べようという研究も始まっています。日本の研究者が2006年に発表した論文によると、
同じ散歩でも犬と一緒に散歩するほうが、一人で散歩するより副交感神経の活性値が高く、
健康に良いようです。
Q.小型犬の散歩は、雨の日や夏の暑い日でも必要ですか?A.犬の体は小型・大型犬を問わず、「運動」を必要とする仕組みになっています。
運動に不可欠な組織・器官として、心臓と筋肉があります。
犬の心臓の体重当たりの重量は馬に比べてはるかに大きく、
また筋肉の赤筋(有酸素で働く筋肉)と白筋(無酸素で働く筋肉)の割合いも絶妙で、
適度な運動を求める組成になっています。
ですから、排泄のためだけに散歩したり、犬に任せてぶらぶら散歩したりするのは
好ましいことではありません。“運動する”という気持ちで散歩することが大切です。
犬は本来、雨が嫌いではありません。
皮脂腺から油脂が分泌され、皮膚や毛皮に防水性を与えています。
一方で、夏の暑い日などの昼間に散歩するのは避けたいものです。
早朝と夕方の涼しい時間帯に運動しましょう。
Q.我が家では猫は室内飼いですが、実家では外飼いです。どちらがいいのですか?A.動物名愛護及び管理に関して、様々な情報を発信している
環境省自然環境局・動物愛護管理室では、猫の室内飼いをすすめています。
猫の体は犬と異なり、運動を求める構造になっていません。
素早い動きは得意ですが、長い時間走ることは出来ません。
また、人や他の動物との接触を比較的嫌います。
そうしたことを考えると、室内飼いのほうが良いでしょう。
実際、室内飼いの猫は病気も少なく、結果的に長寿のようです。
しかし、アメリカでは猫との散歩も人気があります。
猫用のハーネスも販売され、トレーニングも行われています。
突然猫を散歩に連れ出すことは避けなくてはいけませんが、
子猫を飼い始めるとき、散歩を考えてトレーニングすることも悪くありません。