静岡県静岡市葵区の動物病院 昭府獣医科
当院・施設紹介 診療スケジュール 健診・検査のススメ 医院からのお知らせ うさぎちゃんのお部屋
トップページ > 人間の想像を超えた 特異な犬猫の行動 > いつもウロウロして落ち着きのない犬といつも寝てばかりの猫
ウロウロして落ち着きのない犬。
いつも寝てばかりいる猫。
両者にはどんな違いがあるのでしょうか。
麻布大学獣医学部教授 太田光明先生によりますと

犬や猫にも味覚があります。

一般的に味覚には、「甘い」「酸っぱい」「塩辛い」「苦い」の4つの他に「うま味」というのがあります。
人はこの5つの基本味を程よく感じることができますが、
犬は「苦い」味を感じる舌の受容器(味らい)がありません。
人も生まれた直後は、苦みを感じる受容器がなく、
2歳ぐらいまでに苦み受容器を獲得するといわれています。
また、まれに遺伝的に苦み受容器を持たない人もいます。
苦み受容器がないと、苦い物を口にすると吐き出してしまいます。
幼い子供が苦い薬を吐き出してしまうのはそのためです。

犬も苦い薬を与えると吐き出します。
一方、猫には苦みを感じる受容器があります。

Q
うちの犬は落ち着きがなく、いつもウロウロ。なぜ?
Aこれは人の注意欠陥多動性障害(ADHD)とよく似た行動で、程度の差こそあれ、どの犬にも見られます。アミノ酸には「苦い」「甘い」があり、苦いアミノ酸にはフェニルアラニンやチロシンなどがあります。これらは、正常な行動をとるのに必要なノルアドレナリンやドーパミンを生成するのに欠かせない物質(前駆物質)で、不足すると落ち着いた行動がとれなくなります。
苦みが苦手な犬は、当然苦いアミノ酸が嫌いです。しかし、甘いアミノ酸は大好き。甘いアミノ酸にはセリン、プロリン、アラニン、グリシンなどがありますが、苦いアミノ酸をこれらと一緒に与えれば犬も喜んで食べます。
ちなみに、大豆チーズにはフェニルアラニンやチロシンが多く含まれています。ご褒美にこれらの食材を工夫して与えれば、落ち着いた犬になるかもしれません。

Q
我が家の猫はいつも寝てばかり。
               どこか具合が悪いの?

A猫は犬と異なり、苦みを受け付ける受容器があります。また、砂糖など甘い糖質は苦手ですが、甘いアミノ酸は大好きです。つまり、バランス良くアミノ酸を摂取できる体質のため、落ち着いた行動をとることができるのです。中でも甘いアミノ酸の一つであるグリシンには、睡眠を促進する作用があります。グリシンを摂取すると眠りに早く達するだけでなく、より深い睡眠を増加させることができます。
猫の好きな食べ物にはアミノ酸がバランス良く含まれ、かつ猫はこれらのアミノ酸を確実に取り入れる仕組みを持っています。もし、落ち着きのない猫がいたら、それは味盲(特定の味覚が先天的に欠如している無味覚症)な猫かもしれません。


ワンちゃんが落ち着きがなくて困っていらっしゃる飼い主さん…おやつにチーズを試してみてはいかがでしょう。
読売生活情報誌『リエール』掲載記事より