
犬の骨肉腫
骨肉腫は骨と軟骨に発生する悪性腫瘍です。
大型犬での発生が多く、転移が速く死亡率の高い腫瘍として知られています。
【原因】
発症の原因ははっきりわかっていませんが、
ラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバー、グレートピレニーズなどの
大型犬に発症が多くみられる傾向があり、遺伝的な関与も要因としてあげられて
います。
発症平均年齢は 7 歳といわれていますが、
2 歳前後のワンちゃんでも発生することがあります。
【症状】
特に肢の長い骨に腫瘍ができることが多く、激しい痛みを伴うことが多いため、
足の腫れや跛行などの症状がみられます。
骨肉腫は進行が速く、早期の段階で転移しやすい腫瘍です。
特に肺への転移が多くみられ、その場合呼吸困難などの症状があらわれます。
【治療】
骨肉腫のできている部分、転移があるかどうかによって治療は異ります。
転移がなく、手術で切除できる部分に骨肉腫が発生している場合、一般的に
手術で摘出を行います。その場合、転移や再発を予防するために腫瘍周囲
の正常組織も含め広範囲での摘出が重要となります(肢の骨肉腫の場合、
ほとんどのケースで断脚を行います)。
再発予防のため、手術後に抗がん剤療法を行う場合もあり ます。
また、すでに転移などがあり摘出が難しい場合には、抗がん剤や放射線療法を
行いますが、この場合完治は難しいといわれています。
【予防】
発症の原因がはっきりわからないので、予防することは難しい病気です。
しかしながら、早期発見による早期治療が重要となりますので、定期的に
検診を行うことや、日頃からワンちゃんの歩く様子などを観察し、跛行のような
症状がある場合には早めに動物病院にご相談ください。