
オシッコをチェックして
どうぶつの健康を守ろう!
お家でも出来るオシッコのチェック項目は?
「いつもと何か違う」という場合には、病院にご相談ください。
代表的なチェック項目を次に幾つか挙げてみました。
☆排尿時の素振りがいつもと違う・・・
「最近、決められたトイレ以外でも我慢しきれず、してしまうことが多い」
「オシッコをする素振りを繰り返すのだが、尿の出方が少ない(出ない)」など
☆飲水量やオシッコの量、回数に変化がある・・・
「オシッコの量が最近、多い」
「水の飲み方が多い」
「オシッコの回数が多い」など
☆オシッコの色や様子に変化はありませんか?・・・
「オシッコの色が赤みがかっていたり、血が混じっている」
「尿色が薄い」
「オシッコが濁っているような気がする」
「オシッコの中にキラキラと光るものがみられる」
「オシッコがベタベタしている」など
☆ウサギさんのカルシウム代謝には特徴があり、血中のカルシウムは尿中に排泄されます。
このため、うさぎさんのオシッコは正常でも濁っています。
☆アフリカの砂漠出身ネコちゃんは、水分を節約するため殊のほかオシッコを濃縮する能力に
優れています。しかしながら、このことは「水分摂取が必要な状態なのにネコちゃんの身体が
水を飲みたいと思わない」ということにもつながる場合があります。もちろん、どのどうぶつさん
にも、飲みたいときのために新鮮なお水をたっぷりと用意しておくことは重要ですが、
特にネコちゃんには注意が必要です。
☆鳥さんは排泄物の出口が一箇所(総排泄口)なため、ウンチとオシッコを一緒に排泄します。
尿検査から何がわかるのだろう?
腎臓で血液からろ過された後の老廃物が水分と一緒に排泄されたオシッコの中に何が残っている
かを調べることで、腎臓のろ過機能など、体内の臓器の機能具合を把握することができます。
尿検査のため、病院さんへ持参する尿の採取には、紙コップや紙皿を使ったり、スポイトなどを
利用したりすると良いでしょう。採取してから時間が経ってしまったり、量が少なすぎたりすると
検査の精度が左右されてしまいます。
採取が難しそうな場合は、オシッコが溜まっている状態であれば病院で採取しますので
ご安心ください。
(1) PH値
オシッコのpHが酸性・アルカリ性のどちらかに偏っていないか確認するために行います。中性が7、それより数値が低ければ酸性、高ければアルカリ性です。ちなみにワンちゃんや猫ちゃんの正常値は5.5~7.0とされています。
酸性、アルカリ性のどちらに傾いても特定の尿石ができやすくなります。
(2)尿比重
水に対するオシッコの重さを量ることでオシッコを濃縮する機能をチェックします。
ワンちゃんは1.015-1.040、ネコちゃんは1.015-1.050が正常値とされています。
尿比重値が正常値より下回る場合は、尿の濃縮能力を低下させてしまう腎不全などの疾患が
考えられます。
オシッコ中のたんぱく質量を表します。ワンちゃんの正常値の目安は0~100mg/dlとされています。
値が高い場合は蛋白尿が出る原因を追究します。原因として尿路の内壁などが炎症を起こして
いる場合などがあげられますが、血液検査などのその他の検査の結果も併せて診断を進めていく
ことが多いです。
(4)尿糖
正常な状態では尿中にブドウ糖は検出されませんが、腎臓(尿細管)でのグルコースの再吸収が追いつかなくなると尿に排出されるようになります。尿糖が出る疾患としては糖尿病が有名ですがその他にも急性腎不全などがあります。
(5)ケトン体
ケトン体とは、エネルギー生産のためにブドウ糖を利用される代わりに、脂肪を分解するとき生じる化学物質を総称した呼び方です。ケトン体が血液中にたまるとオシッコ中にも排出されます。糖尿病などの疾患でこのケトン体が検出されることがあり、正常な尿では検出されません。
(6)ビリルビン
赤血球中のヘモグロビンが肝臓や脾臓などで壊されたときにできる胆汁色素をビリルビンといいますが、通常は肝臓で代謝され胆汁としてに排泄されますので尿に出てくることはありません。
ただし、何らかの疾患で、赤血球が多量に破壊されたり、肝臓や胆道に障害があり胆汁の流れが妨げられるとビリルビンが血液中に増えてしまい尿に排泄されるようになります。正常な尿では検出されることはありません。
(7)ウロビリノーゲン
ビリルビンが腸内細菌によって分解されたものがウロビリノーゲンです。大半はウンチと一緒に排泄されますが、一部が腸管から吸収され肝臓へと戻り尿中に排泄されることがあります。正常な尿では検出されることはありません。
(8)潜血
炎症や感染により尿路などから出血することで尿に血が混じることがあります。