静岡県静岡市葵区の動物病院 昭府獣医科
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中毒症状を起こすきけんなものは?

異物誤飲に注意!

人がおいしそうに食べているものをワンちゃんやネコちゃんが「食べたいな~」と虎視眈々と狙い、

ちょうど床に落ちたところをパクリ!と口に入れてしまう・・・。

お家に遊びにいらしたお客様がワンちゃんやネコちゃんに与えてしまう・・・。
こんなことから誤食が起こり、

そしてどうぶつ病院へ、

あげくの果てには手術や中毒に・・・

と、「つい、うっかり」が大事になりかねません。


人が当たり前に食べているものの中には、
ワンちゃんやネコちゃんが摂取すると中毒を引き落としてしまうものもあるので、
十分な注意が必要です。
また、ワンちゃんやネコちゃんはヒトが思ってもみないものを食べてしまうことがあります。


ワンちゃんとヒトとの歴史は、ヒトの残飯からワンちゃんが食糧を得るというところからスタートしています。
「落ちているものを食べる」という行為は、
ワンちゃんの遺伝子の中に組み込まれてしまっているぐらい強いものかもしれませんし、
もともとワンちゃんは好奇心が強い動物です。
「何を口のなかに入れても
おかしくないというくらいの気持ちで、
心してワンちゃんの安全を守るようにしましょう!

ネコちゃんは警戒心の強い動物ですから
拾い食いをしませんが、からだに付着したものをきれいにするために
苦かろうが不味かろうが一生懸命舐めてしまいます。
除草剤などによる中毒が非常に多くみられます。




どんなものが、異物誤飲の原因となりやすいの?





ヒトの身近にあるもの 
 竹串やトウモロコシの芯、果物や梅干の種、ヒトの医薬品、石、砂、靴下などの布類、ひも、鉛筆、消しゴムなど






害虫駆除剤、殺鼠剤、不凍液(エチレングリコール)、防腐剤など
 車のラジエーターの不凍液の成分であるエチレングリコールは、口にしたときに甘い味と匂いがします。ワンちゃんやネコちゃんがこの味と匂いに誘われて口にしてしまい、重大な事態をひきおこすことが、特に冬の時期に見られます。
 
ネコちゃんや小型のワンちゃんでは、小さなスプーンを数杯分摂取しただけで、死に至ってしまうほど危険な物質ですので不凍液取り扱いには厳重な注意が必要です!





人間にとってはご馳走だが、動物にとっては危険な状態を引き起こしてしまうもの 
  *たまねぎ・ねぎ・にら・にんにく
  赤血球が壊されるため、血尿がでて貧血を起こすことがあります。直接食べるだけでなく、煮汁も中毒を起こしますが、たまねぎに対する感受性は、個体差があるようです。カツ丼の豚カツを食べた時たまねぎを一緒に食べさせないで!

  *チョコレート、ココアパウダー等
  チョコレートに含まれているテオブロミンは心臓、中枢系神経を刺激し、血圧上昇、不整脈等の症状や、興奮、痙攣、昏睡等の中枢系神経における異常がおこることがあります。チョコレート中毒は、慢性的な摂食時などでは死に至ることもあります。また、テオブロミンの含有量はチェコレートの種類によってかなり違います。ビターチョコの含有量が多く、ミルクチョコ、ホワイトチョコの順に少なくなります。
症状はワンちゃんの体重や体質によっても異なりますが、
体重10Kg のワンちゃんが100gぐらいのチョコレートを摂取した場合でも症状があらわれる可能性が高いといわれてます。
ちなみに一般的な板チョコは1枚で約70gですので、
小さいワンちゃんの場合は一かけらでも要注意です!

  *カフェインが含まれているもの
   (コーヒー
・紅茶・日本茶
  カフェインはテオブロミンと同様に、心臓、中枢系神経を刺激します。症状としては、頻脈、不整脈、興奮、全身性のうっ血や出血がおきることがあります。

  *キシリトール
  植物のシラカバやカシなどの天然素材からつくられる甘味料であるキシリトールですが、人とワンちゃんではキシリトールの代謝や感受性が大きく異なります
「キシリトールがワンちゃんに重篤な障害を起こす」という報告が、2006年9月にアメリカ獣医学協会から発表されています。キシリトールをワンちゃんが摂取により血糖を下げるホルモンである「インスリン」が急速に分泌されるため、急激な血糖低下がみられ、低血糖症を起こしたり、最近では肝臓に障害を起こしたりする可能性があることが報告されています。摂取した量やワンちゃんの感受性によっては死に至ることもあるので、充分な注意が必要です!
ちなみに、ガム1枚のキシリトール含有量は 約0.5g~1g/1枚(注:製品により異なる)で、1、2枚のガムでも危険な場合があるので注意が必要です! 


  *レーズン・ブドウ
  最近のアメリカの報告で、有害である事が立証されているため、避けたほうがいいでしょう。重度の場合は、腎不全から死亡するケースも報告されています。ネコちゃんについては、まだよく分かっていないようです。

  *卵の白身
  ビオチンは、ビタミンB群に分類される水溶性ビタミンですが、生卵の白身にはビオチンの吸収を妨げるアビシンが含まれており、過剰な生卵の摂取はビオチン欠乏を引き起こします。

  *アボカド
  アボガドに含まれるペルジンの多量摂取により胃腸の炎症の恐れがあるという報告があります。
フェレット、ウサギ、鳥などの小動物にとっては少量でも危険です

  ナッツ(特にマカデミアナッツ)
  多量摂取後に、運動失調や後肢の麻痺を起こすことがあります。

  イカ・タコ・エビ
  生のイカやタコにはチアミナーゼという酵素が含まれており、摂取し過ぎると体内のビタミンB1が破壊され、神経障害を起こし、ふらつきや歩行困難をおこすことがあります。おつまみのイカの燻製をネコちゃんに食べさせると、腰が抜けてしまいます。

  牛乳やチーズなどの乳製品
  ワンちゃん、ネコちゃんは牛乳に含まれるラクトース(乳糖)を分解する酵素が少ないために、量によっては消化不良や下痢を引き起こしてしまうことがあります。

  や魚の骨
  先がとがっている骨は口の中や食道や胃腸を傷つける可能性があり危険です。
道に落ちている鳥の骨、飼い主様のパーティー後の食べ残しなどにも注意しましょう。

  生肉
  生肉の摂取についてはさまざまな意見がありますが、寄生虫や細菌への感染が懸念されるため、与えないほうがよいでしょう。
特に生の豚肉には、トキソプラズマという原虫感染症を引き起こす危険があります。

  ヒト用の味付けをしてあるもの
  多すぎる塩分、糖分は内臓に負担がかかります。





プロピレングリコール(保湿剤)
保湿剤や甘味料として利用されているプロピレングリコールですが、ネコが摂取すると赤血球にハインツ小体の増加や赤血球数の変化などがみられます。このため保湿剤として猫用ペットフードへの添加を禁止されています。
ただしワンちゃんには影響は見られませんでした。





観葉植物、植物の球根など
身近な植物でも中毒症状を起こすことがありますので注意が必要です。
※植物の生育に役立つ堆肥も危険ですので、ワンちゃんやネコちゃんが近づけないようにしましょう。


 【主な中毒を起こす植物とその症状】

 チューリップ(球根)

*嘔吐、下痢、心臓マヒ

 アサガオ(種子)

嘔吐、下痢、幻覚、血圧低下、瞳孔散大

 キキョウ(根)

*嘔吐、下痢、胃腸炎、血圧低下、溶血

 クリスマスローズ (全草、根)

嘔吐、下痢、不整脈、血圧低下、心臓マヒ

 シクラメン (根)

*胃腸炎、ケイレン、神経マヒ

 ジンチョウゲ (花、根 )

*皮膚炎、嘔吐、下痢

 スイセン (植物全体(特に球根))

* 嘔吐、下痢、神経麻痺、血圧低下

 パンジー (根茎、種子)

*嘔吐、神経マヒ

 ポインセチア 茎(樹液)、葉)

*嘔吐、下痢、皮膚炎、痙攣

 ユリ (植物全体(特に球根))

*腎不全

 シャクナゲ(葉)

*嘔吐、下痢、よだれ・昏睡

 ソテツ (種子)

*嘔吐、食欲不振、黄疸、腹水

 イチイ (木、樹皮、種子)

嘔吐下痢、虚脱症状、運動失調、呼吸困難

 (さや、種子)

嘔吐下痢、血液量減少、ショック、虚脱

 アザレア(植物全体(特に葉))

*嘔吐、痙攣

 夾竹桃(植物全体)

腹痛、嘔吐、よだれ、ショック、昏睡

 ポトス (汁液)*胃腸障害、皮膚の炎症 
(植物全体)*口内炎、皮膚炎

 アジサイ (つぼみ)

*痙攣、昏睡

 アセビ(若布、樹皮)

*よだれ、ふらつく、呼吸困難

 カラー(葉)

*口内炎、皮膚炎

イヌサフラン(植物全体(特に球根))

*よだれ、嘔吐、下痢、呼吸低下、ショック症状

アロエ(皮下の乳液)

*下痢、血尿、貧血

どんな症状がみられるの?

誤飲したものの種類や量、ワンちゃん、ネコちゃんの体格や体質によって、症状や症状が発現するまでの時間、重症度が異なります。誤食後に時間が経過してしまうと、治療が困難になる場合や、症状が重くなる場合があり、場合によっては死に至ることもあるので注意が必要です。
 症状は様々ですが、一般的に嘔吐や下痢、流涎(よだれ)、痙攣、瞳孔が開く、食欲不振、元気消失などの症状がみられることが多いようです。このほか、脳や心臓、神経などに作用する中毒物質もあります。

 

どんな治療をするの?
触診、エコー検査、レントゲン(X線)検査などで診断を行います。異物の種類によってはレントゲンに写らないものや写りにくいものもあり、判明が難しい場合があります。
処置の方法としては、催吐処置(異物を嘔吐させる処置)、もしくは胃切開などの外科手術などがあります。その他、液体や中毒の可能性がある異物を誤飲した場合には解毒剤の投与や点滴治療などを行います。

 

わが子を守るためには?

ワンちゃん、ネコちゃんの行動範囲を安全に!
子犬ちゃんや子猫ちゃんは遊んでいるうちに食べてしまうことがあります。ワンちゃん、ネコちゃんの届く場所に飲み込みそうな物や、興味を示しそうな物を置かないことが大切です。お留守番のときなどは、柵やサークルなどを使って行動範囲を制限する等の工夫をしたほうがよいでしょう。


安易に与えない!
  来客時には、「ヒトが食べると何でもない食べ物でもワンちゃんにとって危険な食べ物があること」を

伝え、ヒトの食べ物をあげないようにお願いしましょう。

 

落としたら拾う!  

落ちている食べ物はすぐに拾うように気をつけましょう。

 

口の中のものを出すといいことがあるよ!
  ワンちゃんの習性として、お口に入れているものを出させようとして、無理をして口をこじ開けようと

すると、「とにかく取られないようにしよう」と飲み込もうとしてしまいます。お口の中のものを出させるとき

には、それよりワンランク上の好きなものを見せて、代わりにお口の中のものを出すように促しましょう。

また、日ごろから「お口の中のものを出したら、もっといい物がもらえた」という経験をさせるように

しましょう。


パーティー中は別の部屋で!
  ワンちゃんの安全を守るためには、ヒトの会食中はサークルの中や他の部屋において置くほうが

良いかもしれませんね。


散歩中は飼い主さんに意識を向けさせる
  散歩中は何が落ちているか分からないので、リードを離して自由にしないようにしましょう。

名前を呼びながら散歩をすることで、常に飼い主さんを意識するように仕向けましょう。


スプーン、フォーク、竹串などは危険!
  スプーンやフォークを使って食事を与えることや焼鳥などの竹串などに刺さったものをそのまま手で

もって食べさせたりすることは、スプーンや竹串などを一緒に飲み込んでしまう可能性があるため

非常に危険です。

 

お庭で植物を育てている場合

お庭で植物を育てている場合は、植え替えなどの作業中にも球根などを放置しないよう注意が

必要です

 

異物を飲み込んでしまったときは?

摂取したことが疑われる場合には、早急に動物病院に行くことをお勧めします。

また、中毒を起こす可能性がある食品や薬物の場合は内容の表示がある袋や箱、

その他の場合でも異物の一部などがあれば、治療方針の目安となりますので、それを

持参することをお勧めします。治療法については摂取した異物の種類や量、摂取後

経過している時間によっても異なります。