*子宮蓄膿症 |
子宮蓄膿症 10歳になるビーグルの女の子です。近頃 腹部が膨満し、水を大量に飲み、薄い尿をいっぱいして困る。ということで来院されました。糖尿病と子宮蓄膿症を心配し、CBC検査・生化学検査・尿検査・レントゲン検査を行いました。尿糖が少し出ましたが、血糖値は正常、白血球が19900/μl、レントゲンでは異常が発見できませんでした。当日は食欲がないので栄養剤、胃腸機能改善剤、抗菌剤等を注射しておかえししました。 翌日来院時 少し元気になり餌を食べ始めたので、昨日の注射を再投与しました。しかし 子宮蓄膿症がどうしても気になりましたので、もう一度CBC検査とエコー検査をお勧めしました。 初診から4日目 食欲も出て、元気にもなりましたが、相変わらず水を大量に飲み、薄い尿をいっぱいしています。 CBC検査で白血球が54800/μlと一気に増え、エコー検査でもはっきり子宮蓄膿とわかりました。 ![]() これで子宮蓄膿症と確定しましたので、子宮摘出手術をおこないました。 摘出した子宮です ![]() 膿が溜まっているのがわかりますね。 現在は腹部がすっきりして、足取りも軽く、食欲もあり、大量の飲水もなくなりました。元気になってよかったね? ![]() |
*便秘で食欲もなく、元気がありません・・ |
巨大結腸症 ここ4,5日便が出ません。食欲もなく元気もなくなって来ました。という猫のミミちゃんが来院しました。巨大結腸症は、異常に拡大した結腸に大量の糞便が停滞している状態であり、レントゲン検査を実施しました。 ![]() ![]() 検査により焼石様のカチカチの便が校門付近に溜まっているため、用指でまず掘り出し、3回の浣腸を行い、ほぼレントゲンで確認できる便の排便を促しました。しかしこの後また便が溜まる危険性があるので、つねに柔らかい便になるようお薬を投薬していただきます。 ![]() |
*骨肉腫・・・骨のガン |
骨腫瘍(骨肉腫) 10日前頃より飼い主さんが気がつきました。左前肢にポコッとした膨らみが出来てきました。食欲、元気とも変わりなく痛みもありません。 触診しますと、皮膚が何らかの原因で化膿し膨らんでいるものとは明らかに違い、骨自体に問題がありそうでした。レントゲン検査を実施 ![]() ![]() ![]() 細胞診検査をしていませんから、100%とは言えませんが 骨肉腫です。 犬の骨肉腫は肺へ転移しやすく、予後はきわめて悪い。断脚などの外科手術をし、化学療法を併用しても一年生存率は40%です。 ![]() |
*皮膚糸状菌(真菌)症 |
皮膚糸状菌症 ![]() H22.07.01 珍しいお客様がみえました。静岡市井川にあります放牧場で飼われている山羊くんです。背中から腰にかけてひどい脱毛がみられました。 ![]() ![]() また、腱部には化膿がみられ膿汁が出ていました。 顕微鏡でアカルス(毛包虫)、疥癬の検査をしましたが寄生虫は発見できませんでした。 ウッド灯検査では皮膚糸状菌症が疑われる陽性反応がはっきりしないため真菌の培養検査を行いました。10日後に検査結果が出ます。 山間地で飼われているので、検査結果には出ませんでしたが寄生虫駆除の注射、化膿している部分もありますので抗生物質の注射を実施。大変ですが薬用シャンプーで3日おきにシャンプーしてもらいます。 H22.07.12 山羊くん再来院 角もありますし大きいので連れてくるのが大変です。真菌の培養検査結果が出ました。培地の色が赤変し、綿毛様白色集落を認めたので『皮膚糸状菌陽性』と判定されました。 ![]() 初診より10日経ち、大分毛が生えてきて良くなってきています。本日も寄生虫駆除注射と抗生物質の注射を実施。次回は1ヵ月後にみせていただくことにしました。その間、一生懸命薬用シャンプーで洗ってもらいます。頑張ってください。 1ヵ月後はもっときれいになっていることでしょう!楽しみです♪ |
*犬の僧帽弁閉鎖不全症 |
犬の僧帽弁閉鎖不全症 犬のまゆかちゃん(トイプードル 12歳の女の子)今朝ご近所の仲良しワンちゃんと戯れていたら、突然血を吐いて亡くなりました。咳はしていたものの、元気に遊んでいたかと思ったら、あまりにも突然で飼い主さんもびっくりしていらっしゃいました。 まゆかちゃんはH22、2月に咳が良く出る…ということで診察にお見えになりました。 レントゲン検査、心エコー検査、心電計検査を実施・・・結果心臓肥大をおこし気管が虚上、心雑音ひどく、心臓の僧帽弁の働きが不完全なため血液の逆流がみうけられました。僧帽弁閉鎖不全症です。 詳しくはこちらをどうぞ ![]() これより慢性心不全用持続性ACE阻害剤の投与治療が始まりました。僧帽弁閉鎖不全による慢性心不全の諸症状を緩和することにより、犬の運動耐性を改善し、延命効果をもたらすという良いお薬です。しかし治る病気ではないので、体重が2.8kgの小さなまゆかちゃん・・・大きくなってしまった心臓に、くすりを飲んで、一生懸命耐えていたまゆかちゃんの限界を超えてしまったのでしょう。ご冥福をお祈りいたします。 この病気はレントゲン検査・超音波エコー検査で発見できます。症状が出る前にお薬の投薬をはじめましょう。早期発見・早期治療開始をおすすめします。 |
*ペットも高齢社会です! |
長寿犬ギネス申請へ 読売新聞(H22.5.31付)に、栃木県の『ぷーすけ君』が25歳になり、世界最高齢の犬としてギネス世界記録に申請されることになる記事が載っていました。人なら125歳。いまも元気で愛嬌を振りまいているとのこと・・・りっぱなワンちゃんですね。 近年、生活環境・予防の推進・獣医学の進歩等で長生きするペットが増えてきました。結果、『ぷーすけ君』のように高齢犬特有の症状(痴呆)が発症していなければ良いのですが、そう上手くはいかず、本人(本犬)も辛いかもしれませんが、飼い主さんにかかるストレスは大きいものに・・・。飼い主さんを悩ませる問題は 第1に、日中の睡眠時間が増え、夜間の睡眠時間が減少し、徘徊し、吠えて困ることです。ご近所へ迷惑が掛かりますから、飼い主さんのストレスは相当なものに・・・第2に排便・排尿のコントロールができなくなり、トイレ以外の場所で排泄、おもらししたり歩きながらポトポト落とす、寝たきりになり排便・排尿のしまつです。 困ったときには、お一人で考えずにご相談下さい。一緒に考えましょう! 当院おきまして最高齢はネコちゃんが21歳『りんちゃん』です。H元年8月生、高齢とは思えない元気ものです。猫は痴呆の症状が出にくいので楽ですね。 最高齢ワンちゃんはH21年7月に18歳で亡くなった、体重25kgの大型犬『ムクちゃん』です。大型犬の長寿は珍しく、静岡市から表彰されH20年動物慰霊祭で生活している様子がビデオで紹介されました。毎年混合ワクチン・フィラリア予防・狂犬病予防注射としっかり実施し、大変かわいがられていました。H18年12月頃より僧帽弁閉鎖不全症を発症しましたが、薬の投薬治療を続けることで生活に支障なく安定しておりました。しかしH21年5月頃より、痴呆の症状が重くなり、飼い主さんも夜鳴きに苦しみました。最後の飼い主さんの懸命な介護・・・本当にご苦労様でした。『ムクちゃん』もきっと天国で飼い主さんに感謝していることと思います。 高齢なペットで困ったことがありましたら、ご相談下さい。一緒に考えましょう。 |
*犬の悪性腫瘍『粘液肉腫』 |
犬の悪性腫瘍『粘液肉腫』 (バセットハウンドのすずちゃん 10歳男の子) H22年3月初め頃から 頭頂部にコブのように腫瘤ができました。徐々に大きくなって来たので細胞診検査を実施→軟部組織肉腫を疑う という診断結果がでました。 日に日に大きくなり眼の上まで膨らみが下がってきました。血球検査・生化学検査ではさほど悪い測定値がなく、すずちゃんも元気なため腫瘤除去手術にふみきりました。取り除いた腫瘤の組織は粘ちょう性が強い粘液を多量に含んでいました。組織を病理検査した結果『粘液肉腫』でした。この腫瘍は、繊維芽細胞由来の悪性腫瘍で、豊富な粘液産生が特徴です。いわゆる軟部組織肉腫に含まれるものですが、この粘液肉腫は局所における湿潤性増殖が特徴で、遠隔転移は比較的稀です。しかし今回の粘液肉腫は、腫瘍細胞の異型性が強く、細胞分裂が頻繁ですので、悪性度が高い腫瘍と考えられます。ですから慎重なフォローアップが必要です。 幸いすずちゃんは元気ななので、手術後、攻撃的な腫瘍の転移を抑えるために化学療法を行っています。3週間ごとにドキソルビシン静脈注射、シクロホスファミド錠の併用、血球検査を毎週測定、予防的な抗生物質投薬を続けています。慎重にすずちゃんを見守って行きたいと思います。 |
*小鳥が獰猛に! |
飼い鳥が突然、どう猛に! 先日新聞に飼い主さんからの質問で『かわいい飼い鳥が突然、どう猛になって驚いた。なぜ?』という記事が出ていました。 このような行動は、鳥が性成熟を迎えた後、繁殖期に生じることが多いものです。鳥が営巣のつもりで巣ごもりしている時に、飼い主さんが手をケージに差し入れたなど、先立つきっかけがあるようです。鳥の瞳孔が小さくなったり、後頭部から首にかけて羽毛が膨らんでいたり、くちばしをパチパチと鳴らしたり、いつもより飼い主さんと距離を置いたり、よそよそしい態度をとったりしているときは、むやみに手を出さないようにして、そっとしておきます。 |
*猫の肝臓病 |
猫の肝臓病 1日ペットドックに来院したゆきちゃん(日本猫 3歳 女の子) 尿検査(正常)・糞便検査(陰性)・猫エイズ/白血病検査〈陰性)でしたが 生化学検査で肝機能が非常~に悪いことが判明しました。ペットドックをやってよかったですね。これからの治療方針ですが 食事を肝臓病用処方食に変えていただき、強肝剤の投薬を続けます。治療の効果が出て肝機能が正常になってくれると良いのですが… 1週間後超音波エコー検査・レントゲン検査をおこない肝臓を確認したいと思います。 肝臓は『沈黙の臓器』とも呼ばれるように、その機能に何らかの障害があってもすぐには症状に現れにくく、注意が必要です。 しかし肝臓は他の臓器とは異なり、大きな予備能力を持ち、再生する能力も優れています。有害な要因が取り除かれれば、適切な栄養管理によって、回復することができます。 |
*犬の糖尿病 |
犬の糖尿病 元気もののシーナちゃん(ボーダーコリー 6歳 女の子)が来院しました。外見では一見元気なシーナちゃん、じつは糖尿病です。発覚したのは4月21日、飼い主さんが『元気だけど水をよく飲む』と言われたので 血液検査・尿検査実施 やはり血糖値が高く、尿にも糖が出ていました。 インスリン注射治療を開始 朝夕1日2回インスリン注射のため毎日通っていただきました。4月24日血糖値測定 まだ高いですが21日測定値に比べて大分下がってきました。4月30日血糖値測定 正常値になりました。今続けているインスリン注射の量と回数でコントロールできています。 このあとから人間の糖尿病の方と同じように飼い主さん自身で注射していただくようにしました。それから1週間後5月7日血糖値測定のため来院 血糖値は正常範囲にコントロールできていました。シーナちゃんも元気です。 これからも飼い主さんには大変ですが インスリン注射・定期的な血糖値測定にお付き合いいただいて経過観察していきたいと思います。 ![]() |
*中毒に気をつけよう! |
中毒に気をつけよう 除草剤や害虫駆除剤をまく時期です。急性中毒症状をあらわすものが多いので 散歩のとき草原の中に入って行かせないようにしましょう。また空き地にも土地の 所有者さんが除草剤をまいていることが多いので、急に草が枯れてきたところには 入らないようにしましょう。山や畑には消毒剤をまいていますから、リードを外し自由に走らせることも良くありません。 またガーデニングがお好きなお宅は注意が必要です。チューリップの球根・あさがおの種・パンジーの根茎・あじさいのつぼみなど身近な植物でも中毒症状を起こすことがあります。植物の生育に役立つ堆肥も危険ですので、ペットを近づけないように植え替えを行いましょう。 症状は様々ですが、一般的には嘔吐・下痢・よだれ・瞳孔が開く・痙攣等です。 急性中毒は症状が重篤で死に至ることが多いです。 ![]() |